中国の後漢時代、印刷に先立って紙が発明されました。西暦105年、中国の役人−蔡倫が、木の皮や麻などの植物繊維を砕いて抄いたのが始まりと言われています。それまでに使われていた竹簡や木簡と比べてはるかに優れた、書写のための画期的な材料が発明されました。
610年に高句麗(朝鮮半島北部)を通して日本にも伝わったこの技術は、改良を経て、現在の和紙に至ったようです。


中国では、仏教の世界で、仏像を複製する方法として、墨を塗った仏像に紙をのせて転写する方法が木版の始まりとされ、その後、経典を複製するために木版印刷術が開発されたと言われています。
日本では、奈良時代(8世紀中葉)につくられた「百万塔陀羅尼経」が、開版年代が判明していて、しかも現存する印刷物としては世界最古のものです。
紙は、ヨーロッパへも伝播し、1450年頃(ルネッサンス時代)、ドイツの金細工師ヨハネス・グーテンベルグが活字の開発とこれを使った活版印刷術を発明しました。これが、近代化と文芸復興に大きな役割を果たしました。
この技術は、幕末にオランダを通じて日本に伝来し、本木昌造が改良を重ねて、片仮名邦文の鉛活字をつくることに成功しました。


1810年代にフランスで開発された写真術は、それまで、文字を対象にしていた印刷にも大きな影響を及ぼしました。感光性をもった金属板に露光することで、版を作成し、これを使用して印刷する方法が開発されました。